3人目を産むときに、もうおそらく最後のお産になるから「お産って本当はどう産んだらいいのか」自分でちゃんとわかりたいと考えました。そこで、斎藤忠光さんに、お産のことについてアドバイスを頂きました。斎藤忠光さんは自然、人のからだや歴史を、そのまま自分のこととして感じる方です。「女性は自分のからだのことがわからない」とおっしゃっていたのも聞いていました。斎藤忠光さんのアドバイスをおききして、そのとおりに、子どもと自分の感覚を中心に、意識的に何かするよりもからだの自然の力や内から生まれてくる要求に任せながら産もうと考えました。幸い出会いがあって、助産師さんが泊り込みで家にきてくれることになりました。陣痛のときは斎藤忠光さんの音を聞きながらひたすら痛みとからだ、子どもを感じていました。今回ははっきりと、一人でいたいという気持ちがあり、こえをかけたり、何もしてほしくありませんでした。ただ静かに、おなかの子どもとふたりでいたかったのです。夫と助産師さんは、その状況をわかってくれ、つかずはなれずでいてくれて、それまでまとわりついていた子どもたちもとおまきに見ていてくれました。助産師さんが感覚的に共感して下さり、わたしが気持ちの上ではひとりで産もうとしていることを適度なきょりをおいて見守ってくれていたこと、必要なときは十分にサポートしてくれて過不足ない介助をしてくれたことは本当に良かったと、あとからも感じました。いたみを味わい、上から下に流れていくエネルギーのようなものを感じながら、とにかく子どもがおりてくる力にまかせるようにしました。子どものからだが出てきて、本当にからだが開放感としあわせでいっぱいで涙が溢れ、叫びたいような気持ちでした。お産の後はすがすがしく、ようやく地に足がついたような感じでした。アドバイスのおかげで貴重な経験をし、この短いとも長いともいえる時間を母と子がいっしょにのりこえる意味、女性がまったく別人になってしまうようなターニングポイントともいえるこの時間の大切さを身をもってわかりました。