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9 エチオピア「天命」コンサート

学校に入って一年目の秋、エチオピアで斎藤忠光さんの『天命』というコンサートが行われたのです。高麗恵子さんは高句麗という古代アジアにあった国の王の末裔です。代々シャーマンであり、「民が一人でも不幸であれば王は王でない」という資質を受け継ぎ、小さいときからアフリカの飢餓の問題に心を痛めてきたそうです。高麗さんはご自身のルーツをたどる旅のなかで、エチオピアとの出会いがありました。ゴデという地では薬も治療のすべもなく、聴診器しかない医師のもとにたくさんの人が集まっているような状況でありながら、子どもたちの瞳は純真無垢に輝いているのです。歴史と生命の豊かさと、貧困、飢餓が同時にあるエチオピアで、NPO高麗、エチオピア政府機関などによる実行委員会が開催した『天命Cosmic Manifesto』コンサートは現地の人11万人が参加し、新しい人類の歴史のはじまりを実感するコンサートでした。夫といっしょに参加しましたが、コンサートの最初の一音からすごい音で、これまでの自分の人生は終わり、新しい人生始まると感じました。     
また、コンサートの3ヶ月ほど前に、突然姉が亡くなったのです。歳もはなれ、性格も正反対で仲が良いとはいえない姉でした。けれども、たまに話ができるときには、姉はいつも「人の役に立ちたい」と、どう生きたらよいのか一生懸命考えていました。亡くなってから、わたしたちは、方向は違っていても同じことをずっと願ってきたのだとわかりました。エチオピアを吹く風に、姉もこの地に来ていっしょにいるような感じがしました。エチオピアコンサートの後、姉が亡くなったことがひとつのきっかけとなって、わたしたちはそれまでずっとすんでいた地をはなれました。